経カテーテル動脈塞栓術における抗癌剤リピオドール無水懸濁液の有用性の検討
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概要
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本研究は,水分を含まないカルボプラチンとエピルビシンの,リピオドール懸濁波の作成法を考案し,末梢血中への薬剤漏出速度の測定を目的とした。まず,本法で作成した無水懸濁液と従来の含水懸濁波について,薬剤溶出率を日本薬局方パドル法にて検討した。従来の含水懸濁液は測定開始直後から,90%をこえるカルボプラチンの溶出を認めた。一方,本研究で作成した無水懸濁波は,投与後2時間で徐々に溶出した。どちらも2時間後には溶出がプラトーに達した。エピルビシンでも同様に,初期2時間の溶出率は,水分を含まないもので低かった。その後は両者ともほぼ同じ速度で徐々に溶出した。臨床例において,末梢血液中に漏出するプラチナ量を,無水懸濁液と含水懸濁液で比較したところ,前者のほうが有意に低かった。本法で作成した抗癌剤リピオドール無水懸濁液は,末梢血液中への抗癌剤の漏出が少なかった。このことは,腫瘍組織への集積が高いことを示し,従来の方法より優れていると考えられた。
- 千葉大学の論文
- 1997-10-01
著者
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