ヘルパーT細胞サブセット特異的情報伝達における転写因子AP-1の検討
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概要
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マウスCD4陽性ヘルパーT細胞は産生するサイトカインの違いによりTh1とTh2サブセットに分類される。Th1とTh2細胞における異なるサイトカイン産生の機構を明らかにするため,これ細胞における転写因子AP-1について検討した。標準的AP-1結合部位を含有するプローブを用いて,T細胞クローンの核抽出液をゲルシフト法にて解析した。Th1細胞クローンのHDK-1とD1.1細胞は移動度の異なる明瞭な2本のバン下を呈した。 Th2細胞クローンのD10.G4.1とCDC25細胞では早い移動度を呈するバンドに一致するバンドのみを明らかに認めた。各種抗Jun/Fos抗体によるスーパーシフトにより,早い移動度と遅い移動度のバンドは各々Jun/Fos, Jun/Junファミリーの複合体であると示唆された。PMAとA23187で刺激したTh2細胞クローンではTh1細胞クローンよりも核抽出液中のJunBとc-Fosが多いことをウェスタンブロッティング法で示した。また上記刺激によりD10.G4.1ではHDK-1よりもc-FosのmRNA発現の増加をみとめた。以上の結果からTh1とTh2細胞におけるAP-1の構成成分の違いが,これらの細胞における異なるサイトカイン産生機構に関与している可能性が示唆された。
- 千葉大学の論文
- 1999-02-01
著者
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