Partial diGeorge 症候群の一剖検例
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概要
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呼吸困難,嚥下困難を主訴とし,新生児低Ca血性テタニーをきたし,免疫学的には細胞性免疫能の異常と解離を示し,感染をくりかえして死亡した8ヶ月の男児を剖検する機会を得,電顕を含む病理形態学的な観察を行なった。胸腺の低形成,脾・リンパ節のT細胞領域が疎,副甲状腺無形成,甲状腺発生異常,両耳介奇形,下顎形成不全などの所見から最終病理診断をPartial DiGeorge症候とした。本症例でみられた細胞性免疫能の異常と解離については,本症例がPartial DiGeorge症候群であり,胸腺が低形成であるため,T細胞の発生と分化の面から考えると,T細胞の数も機能も完全な形では供給するととができず,末梢Tリンパ球の数はある程度回復しても,過敏型反応を起こさせるTリンパ球は回復することができなかったことによるものと考えられる。
- 神戸大学の論文