名義抄の部首検索システム構築について
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概要
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本稿は、類聚名義抄の検索システムがどのように構築されているかを考察するものである。まず類聚名義抄の部首立てが玉篇部首をソースとして成っていることを確認、実証し、この点に関する凡例の従来の解釈が誤っていることを指摘する。更に部首立てが具体的にどのような手順で行われたかを、広益玉篇の目録的利用を考えることで推測した。また、各帖の最初の部首が「人・水・艸」であることは、「仏・法・僧」各部の部首字・類音字を採用したものであり、基本的に「仏・法・僧」の三部立て自体が、名義抄の検索システム化に連動している。また、「頌」を以て部首検索をシステム化しようとしたことや、「人・水・艸」という三つの部首を特に卓立することができた背景には、名義抄成立期に、法華経音義史に於いて、巻音義の篇立音義への改編が盛んになってきたことが大きく関与していると考えられ、名義抄の検索システムの構築は、玉篇と篇立法華経音義とによっていることを推定した。
- 愛知学院大学の論文
- 1997-03-31
著者
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- 宮澤俊雅著, 『倭名類聚抄諸本の研究』, 2010年4月20日発行, 勉誠出版刊, A5判, 544ページ, 12,000円+税