シラーの哀歌『逍遙』(Der Spaziergang) における自然描写
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概要
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シラーは哀歌『逍遙』(Der Spaziergang) において、野生の盲目的自然から敬虔なる自然へ到る過程を象徴的にうたっている。ここで問題となっている自然は人間によって形成された自然、人間によって高尚なものとされた自然、美的に純化された自然以上のものである。この詩においてシラーは歴史の悲劇性について断言的に述べ、人間はこの歴史の悲劇性からはのがれられないと説く。たヾ超時間的な、人間からは独立の力のみが人間に救済を告げる。この力はこの詩では美的意味をこえた宗教的意味においてとらえられる。即ち、この力は神的なものそれ自身の可視的な象徴として、人間に対する超時間的な慰めとして現れる。
- 跡見学園女子大学の論文
- 1993-03-20