シラー美学における『美』と『優美』
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概要
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人間に内在する二元的対立的契機の調和に人間性の理想、ひいては美の理想を見出そうとするシラーの根本的態度は、かれのすべての哲学的著作にうかがわれるところである。そして『優美と尊厳について』の論文においてもその態度は不変である。ところが、かれが美の理想という名称をもってよぶ美的範疇は「優美」のみではない、自然の必然性の法則に制約され、自然の恩寵である「構築美」も美の理想に属するものと説かれている。さらには亦、優美と尊厳、構築美と優美との融合、調和、和解の状態をも美の理想とよんでいる。シラーのこのような概念の多義性について原文を検討しながら論述し、解釈を加えたい。
- 跡見学園女子大学の論文
- 1989-03-20