美の瞬間と言語の成立
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
美の瞬間という問題は、一般的には、美が時間によってどう規定されどう成立するかということであり、美的現象と非美的現象が時間の様相においてどう説明されるかという課題である。これは瞬間という概念の超越的意味を時間的次元において捕捉し、さらにそれが美の自立性という見地からどう扱われるかという二つの課題として路線づけられよう。Gunter Wohlfart (1943-) は、最近の三著でこの問題を追求し、この基礎概念を近代哲学の源流に遡って、体系的歴史的に通視している。そしてここではとくに、美の瞬間と言語の成立ということが一つの重要な中心的課題をなしている。それはハイデガーの『存在と時間』の第六八節 (d) にみられる、語りの分節 (化) という問題を今日の言語哲学-記号論の文脈における言述と同一の意味で扱っており、これが全体を通じての一つの重要な路線を示しているために、この三書に従いつつその展開を追うことにしたい。
- 跡見学園女子大学の論文
- 1988-03-20
著者
関連論文
- 寓意の演劇的展開 : カルデロンの聖餐劇 (Autos sacramentales) の場合
- Sando-Nosakusho : Eine literaturwissenschaftliche Betrachtung
- 美の瞬間と言語の成立