The Garden of Adonis に関する一考察 : Adonis 祭祀の遠い記憶とのかかわりについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The Faerie Queene を書くにあたって Spenser が用いた方法は, C. S. Lewis の表現を借りるならば, 「アレゴリーの核を各々の巻に置ぎ, まわりをタイプのロマンスと呼ばれるもので囲み, 純粋に架空の逸話をちりばめる^1」というものである。第三巻に於けるアレゴリーの核は, Canto VIのGarden of Adonis と名付けられた豊饒の園であるが, この Garden of Adonis という名称は, Spenser の発案ではない。すでに紀元前700年に最古の記録を持つという Adonis 信仰の祭式の一部として存在したものであった。自然祭祀の一つである Adonis 祭祀に於て「はかない一時の美わしさと, すみやかな荒廃の象徴^2」とされていたGarden of Adonis と同じ名称を持つ Spenser の Garden of Adonis は, 生の豊饒が印象的な園であるが, これは, Adonis 祭祀の遠い記憶とどのような関係にあるものなのか。この園の描写にあらわれている豊饒, 輪廻, 再生の観念, 無常の観念と, Adonis 祭祀の記憶とのかかわりあいをさぐってみたい。
- 中京大学の論文
- 1978-03-20
著者
関連論文
- トマス・ラヴ・ピーコック 『夢魔御殿』(第十章-第十五章、あとがき)
- グレアム・ハフ『「妖精の女王」序説』
- グレアム・ハフ『「妖精の女王」序説』
- グレアム・ハフ『「妖精の女王」序説』
- グレアム・ハフ『「妖精の女王」序説』
- ***ティシズム : スペンサーの場合
- An Essay on The House of Busyrane
- グレアム・ハフ 『「フェアリー・クイーン」序説』 : 第一章 「スペンサーとロマンティック・エピック」
- The Garden of Adonis に関する一考察 : Adonis 祭祀の遠い記憶とのかかわりについて