女子器械体操選手の減量食による減量の実態とその身体諸機能への影響

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女子器械体操選手が実際に用いている減量食の内容を明らかにし、その減量食を用いた減量が身体諸機能にどのような影響を及ぼすのかを検討した。その結果、次のことが明らかとなった。1) 減量食摂取期間中のエネルギー摂取量は1720±378kcalであり、減量食摂取前よりも349kcal少なかった。減量食の内容を日本人女子20才の栄養所要量と比較すると特に蛋白質、鉄、カルシウム、ビタミンAの摂取量が少なかった。2) 44日間の減量食を摂取した結果、被検者5名の体重減少量は平均値で0.93kg, %fatの減少は1.3%であったが、被検者5名中2名は体重を減少することができなかった。皮下脂肪厚、周径囲には著しい変化はなかった。また、全身持久性能力、筋力にも減量の影響はみられなかった。3) 血液成分ならびに安静時と運動中の呼吸交換率から体脂肪がエネルギーとして用いられていることが示唆され、減量食摂取の影響がうかがわれた。また、減量食摂取による貧血はみられず、尿中総窒素排泄量は有意な変化を示さなかった。以上の結果から女子器械体操選手の減量では運動機能面に低下はみられなかったものの体脂肪を十分に減少できず、減量食摂取で生ずる可能性がある貧血の発生や体蛋白の過剰な崩壊を防止するために蛋白質、鉄の摂取量を増加させることが必要であり、現在用いている経験的な減量食は改善される必要があると考えられた。
1983-03-20

女子器械体操選手の減量食による減量の実態とその身体諸機能への影響

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