教師教育研究におけるライフストーリー分析の視点-学校の組織的文脈に焦点をあてて
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概要
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本研究の目的は,各学校固有の組織的文脈において生起する教師の自己変革過程を分析するため,これに必要なライフストーリー研究の視点を事例的に導出することにある。そのため,まずは先行研究の吟味をとおして「ライフヒストリー」と「ライフストーリー」の方法論上の相違点を明らかにし,次に,この方法の特徴を生かして,実際にある高校でカリキュラム開発にかかわった3名の教師のライフストーリーの分析を試みる。分析の結果、3名の教師はいずれも何らかの組織的な役割を負ってカリキュラム開発に携わるなかで,新たな自己像を生みだしていた。こうした変容は個人的文脈と組織的文脈が相互に絡み合う複合的な文脈のなかで生じていた。このことは,学校の組織改編によって付与された新たな役割が教師たちに新たな自己像を創出させることを示している。今後,この過程を捉える視点から教師のライフストーリー分析を進めていくことが有益である。
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