労働組合に関する日本人の意識の変遷 : 1973〜2003年に実施された各種世論調査の結果から<特集>労働組合研究)
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概要
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日本における労働者の労働組合離れに関わる意識の諸側面について,その時系列的推移を既存の世論調査や主要単産の労働組合員意識調査の結果により検討した.その結果,意識の上での労働組合離れは,極めて長期的に継続して進行してきたことが判明した.組合満足感については近年増加傾向にある労働組合もあるが,労働組合に対する有効性感覚,意見反映感,必要性感覚,信頼感や,労働組合の存在感は,いずれも概ね低下傾向にあることを明らかにした.また,職場における労働者の連帯感は喪失される趨勢にあり,同僚との理想とする人間関係も部分化・形式化が進行してきた.特に,職場における連帯感や人間関係の希薄化は,労働者の労働組合離れに大きく影響するものと考えられるが,近年の成果主義的人事制度の強調は,職場における労働者の利害共有感覚を失わせることに繋がり,連帯感や人間関係の希薄化を促進したものと考えられ,結果的に労働組合離れを加連させたのではないかと推測した.
- 東京大学の論文
- 2004-11-12
著者
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