環境会計の視点から環境再生事業への提言 : 生態ピラミッドを取引の尺度として
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概要
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自然環境は自由財とされ,その所有者が明確にされることはなかった。しかし,自然環境は主権者に帰属する財である。他の財と異なり自然環境は前世代から継承する。前世代から継承した自然環境を,現世代も将来世代に継承しなければならない。稀少性が認められる自然環境をガイア財と本稿では呼ぶ。これまで,環境は破壊されることを前提として議論されてきた。しかし,環境を再生する者が出現している。彼らがガイア財の供給者である。需要者と供給者が現れたことで,社会的な分業をおこない将来世代に対する責任を果たすことが可能となった。需要者と供給者の取引の共通の尺度となるのが生態ピラミッドである。需要者が浸食した自然環境は,実際に破壊した生態ピラミッドの大きさと,利用したエネルギーを再生するために必要となる森林の面積から測定される。需要者は,再生者が再生した同じ大きさの生態ピラミッドにより補償する。会計は,複雑な事象を整理し見えにくい事実を見えるようにする。環境会計は,現世代が将来世代に自然環境を損なうことなく継承しているのか・いないのかを伝える。この情報により将来世代のために何をしなければならないかが明らかになる。
- 千葉商科大学の論文
- 2003-12-31
著者
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