中高年者の半月板におけるMR画像と組織学的変化についての検討

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目的:MR画像上認められる半月内の輝度変化は,種々の要因によって起こりえ,半月損傷の診断精度を低下させる原因となっている。特に中高年の半月板では,輝度変化を高頻度で認めるが,これらがどのような組織変化と関連しているのか明らかではない。本研究の目的は,中高年者での半月のMR画像と手術所見,関節鏡視所見とを対比し,MR画像での半月内輝度変化と組織の変化との関連を検討するものである。対象:対象症例はMRI撮像後,関節鏡視または手術を施行した102膝で,調査時年齢は平均62.1歳であった。結果:MR画像での半月損傷診断のsensitivityは高かったが,specificityとaccuracyは低かった。中高年者では半月損傷がないにもかかわらず損傷を擬する輝度変化が多かった。さらに半月内輝度変化がどのような病態を反映するのか知るため,半月を病理組織学的に観察しMRと対比した。症例は平均65.9歳の65膝で,87半月であった。前節にては,輝度正常群が多数を占め,後節では輝度変化の頻度は高かった。MR画像は0〜4のGradeに分類したが,肉眼的には,Grade 0,1の輝度変化ではほとんど損傷を伴わなかった。組織学的所見との関係については,Gradeの進行につれて顕微鏡的tearや変性を生じる確率も高くなり,Gradeの進行と組織学的変化では相関があった。結論:中高年者のMRIでは変性による半月板内輝度変化が多くみられ,MRIによる半月板損傷と変性半月との鑑別診断は困難なことがある。
東邦大学の論文
2005-01-01

中高年者の半月板におけるMR画像と組織学的変化についての検討

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