「NOKドリル」の開発とその完成見取り図
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概要
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本稿は私が開発した仏検対策用教材「仏検ドリル」と,その後身「NOKドリル」について,その開発の経緯と問題点について述べたものである。「仏検ドリル」は十数年にわたる改良の結果,フランス語の未習者を対象に,僅か2〜3ヶ月の学習期間で仏検4級の合格率100%,3級80%以上という画期的な成果を収めた。しかし私の実験授業の対象は,熾烈な競争試験に勝ち抜いてきた学生たちであり,いかなる猛勉強にも耐えうるエリートばかりであった。そこで私は,次に「意欲なき学生群」を対象とする新教材の開発を模索し始めた。即ちそれが「NOKドリル」である。「仏検ドリル」と「NOKドリル」は,外見上は双子の兄弟のように酷似しているが,その対象学生はまるで正反対である。そこにはいかなる問題があるのか,その矛盾はいかにしてクリアされるべきか。前稿以来,私が問題としたものは一貫してそこにあった。本稿は「NOKドリル」の完成実物の紹介とともに,その制作過程をつまびらかに描いた一種の報告書であり,その僅かな栄光と,果てしなき挫折の物語である。
- 2005-03-31
著者
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