子どもたちに楽しい経験を? : 日本における英語活動の現状と問題点
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概要
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2002年新学習指導要領実施に伴って、公立小学校で「総合的な学習の時間」の学習活動の一例である「国際理解教育」の一環として英語活動を行うことが可能となり、中学校入学以前に英語に親しむ子どもの数が飛躍的に増えた。現在、全国の公立小学校の9割近くが英諸活動を行っており、一部の幼稚園・保育所・保育園でも英語活動か行われている。日本における早期英語教育に賛成する根拠にも反対する根拠にも、決定的なものがあるとは言えない。しかしながら、もし早期英語教育を行うとすれば、第二言語習得やバイリンガル教育の理論の中に参考にすべき考え方があるだろう。人々が日常的に英語を使う必要のない状況でなぜ英語なのかという疑問を抱くことは当然であり、内容や指導者等の、幾つかの取り組むべき課題がそこにはある。 しかしながら小学校英語活動は、「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」に示された、日本人の英語力を底上げしようとする動きの中で行なわれ、着実に浸透しつつある。もし英語力向上を目指して英語活動を行うならば、楽しさだけを追求するのではなく、中学校以降の英語学習を支える力となる、英語で意思疎通できることが嬉しいという感情を育てることから始めるべきである。
- 2005-03-15