児童・生徒の不適応行動としての不登校の実態・原因に対する心理臨床的援助
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概要
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不登校の問題は, 小学校・中学校・高等学校・大学と進級するにつれ顕著な不適応行動として表れ, 職場でも出張拒否となって表れる現象で個人的な原因に加え, 学校でのちょっとしたことが, 引き金になって表れる。その特徴として, 低学年では分類不安が多く, 本人は緊張して家庭から出られない。高学年になるにつれ, 理由づけがなされ, 中・高では「学校など意味がない」など批判的言動も述べられる。共通の身体的訴え (頭痛, 腹痛, 嘔吐感)や朝のけだるさ, 抑うつ感が多くなる。第2の特徴として, 知的能力は低くなく, むしろ成績上位の場合が多くある。第3の特徴として, 家庭の社会的・経済的地位が低くなく中流以上が多い。第4の特徴は両親の精神的安定感が低い。父母の役割が不明確で不安定, ことに父親の未成熟, 母親の神経症的支配性・干渉性が共通に見られる。その点心理援助として次のようなことが考えられる。 1. スクールカウンセラー及び精神科医と連携し, 本人の内的な緊張感, 不安感, 挫折感をおびやかすような場合を極力避けること。 2. 家庭においては, 親の子どもへの期待感が子どもに強い不安を喚起することがあるので過剰な期待をしないこと 3. 現実の体験学習を繰り返し, 自分の目標を再構成すること。不登校の発生過程を振り返り, 家庭内での開設されている情緒障害児短期治療施設を利用することも効果が期待される。児童・生徒中心の心の琴線に触れながら精神的サポート体制の試行が継続され維持・発展されることが肝要である。
- 2005-03-31
著者
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