仮言命法とダス・マン : プルーデンス(フロネーシス)の系譜(II.人文・社会科学系)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
哲学,法律学,政治学,経済学等はもちろんのこと,われわれ自身が,近代社会の担い手としての主体を,「プルーデンス(prudence)」という実践的な知性の働きから理解している。古代ギリシャでは,人の生活を導く知の働きを,「思慮・フロネーシス(phronesis)」と呼んでいた。プラトンはこの知を「科学的な思慮」として構想した。プラトンに対して,アリストテレスは人の生は偶然に支配されていて,これに関しては科学はなりたたないと考え,「非一科学的な思慮」を主張した。前者は,人の行為を<制作行為(ポイエーシス)>として,後者はそれをく純粋行為(プラクシス)>として理解する。近代は,この知を<prudence>の訳語で継承し,そのことによって人の行為を制作行為に一元化し,<プラクシス>の可能性を忘却してしまった。この<prudence>の担い手が,市民として登場する。
- 2004-02-28
著者
関連論文
- 仮言命法とダス・マン : プルーデンス(フロネーシス)の系譜(II.人文・社会科学系)
- プルーデンスとフロネーシスの間(II.人文・社会科学系)
- 交換と仮面II
- 交換と仮面
- プルーデンスとセインシビリティー