問題性と効率性をめぐる下請制に関する理論の展開と考察 : 1980年代後半から90年代初頭の議論を中心に(100周年記念号)
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概要
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1980年代は日本的経営の国際競争力の強さが世界的に注目された時代であり、そうした流れの中、わが国固有の企業間関係である下請制が効率性と問題性をめぐり、学術的な議論が展開された。そもそも中小企業研究において、下請制は中小企業問題を象徴するものであり、かつてはその評価に効率性視点を組み入れることは、全く考えられなかった。しかし、下請制に対する実態面での変化や中小企業研究者以外からの注目もあって、下請制に対する評価と理論は多様化している。下請制に関する理論についての研究上の課題は、常に実態を念頭に置きながら、科学的な分析方法をもって、問題性と効率性を統一的に把握できる理論の構築を図ることである。
- 2003-10-01