温室効果ガス排出権取引市場の比較分析
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概要
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本研究は、京都議定書の温室効果ガス(GHG)排出削減目標をコスト効果的かつ効率的に達成するために不可欠である国際的GHG排出権取引市場の構築に向け、既設のGHG排出権取引市場を比較することにより、取引市場のふるまいに影響を与える制度的要素を明らかにすることを目的とする。本研究では、比較対象とする市場としてそれぞれ異なるレベルで取引が実施されている「シカゴ気候取引」、「イギリス排出権取引制度」、「EU排出権取引制度」を選択した。研究ではまず、3つの取引市場の制度内容を比較することにより市場のふるまいに影響を及ぼし得る制度的特徴を抽出したも次に、上記市場において現在までに実施された取引結果を比較した。そして、制度内容および、取引結果を比較した結果から、実際にGHG排出権取引市場のふるまいに影響を及ぼしている要因を考察した。その結果、市場参加部門の制約、市場参加規模、排出削減目標、市揚参加に対する金銭的インセンティブおよび、目標不遵守時の罰則がGHG排出権取引市場のふるまいに影響を及ぼすことが明らかとなった。
- 関西学院大学の論文
- 2005-03-31
著者
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