インターフェイスなる景観
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概要
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自然が偶然に作り出す形はある時、制作された造形作品であるかのように感じられる。こうした造形についての考え方にもとづき、自然と対峙し、自然を感じて創作された造形作品や風土の中で培われた集落の形を例示しつつ、それらは作家や社会の感性によって自然や風土が鋭利に表された結果であり、景観もそれらと同じようにまわりの風景や状況を私たち自身によって特別の形として認識され、描き出された形なのではないかと思う。本論考では景観とは意識の中に浮かび上がるものであるというこうした考え方をベースに景観の様々な側面を記述する。まず、現在の町づくりにおける問題点を追究しながら、景観という概念が人や人の営みに大きくかかわりのあること、それゆえ町の形成や活性化と景観との密接な関係を描く。また、現代社会の葛藤となっている保護か開発かという観点から、景観のあるべき姿を論じる。近年、景観の新たな姿として、人と町をつなぐ新たな視点が生まれ出している。私はそうした視点を接点や装置-インターフェイスと考え、それらが町づくりやコミュニティの形成に強くつながり、景観を作りだす重要な考え方として提案する。
- 2005-03-31