世界の湖沼におけるブルーム
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概要
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世界五大陸の湖沼における植物プランクトンの異常増殖、いわゆる、ブルームについてまとめた。まず、日本最大の湖、琵琶湖のブルームについて述べた後、アジア・オセアニア、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカの順に、これまでブルームが発生した湖沼とブルーム形成植物プランクトン.を明らかにした。それによれば、世界では、これまでに45カ国、135湖沼においてブルームが発生し、形成種は未同定のものも含めで56種に及ぶ。地域別では、アジア・オセアニアで最も多く<次いでヨーロッパ、北アメリカ、アフリカ、南アメリカの順で、それぞれ、45、34、26、24、6湖沼であった。ブルーム形成種は、ラン藻類が最も多く、なかでもMicrocystisの場合が最も多く、135湖沼中の54湖沼(40%)を占めた。また、ブルーム発生湖沼の自然科学的及び社会経済的環境についてみると、湖の形態、表面積、水量、深度、水質などの湖沼学的要因や集水域における土地利用、工業活動、栄養塩負荷、人口密度などの社会経済的要因などに、興味ある共通点がみられ、胡に対する人口圧の影響が最も大きかった。それらの点については、現在なお健全な湖沼と比較検討し、解析した。
- 2005-03-31