世界の湖沼環境の現状と問題点

概要

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水資源として利用されている世界の湖の環境実態をまとめた。現在、世界で進行している湖の環境悪化は、大きく分けると次の6つに集約される。すなわち、(1)富栄養化、(2)毒性物質による汚染、(3)湖水の酸性化、(4)水位低下と湖の縮小、(5)シルテーションと湛水量減少、(6)移人種による湖の生態系の破壊、である。これら6つの問題の中では、富栄養化問題が最も広く、国籍を超え、民族を超え、世界五大陸の湖で進行している。今後も、世界における人口の増加、水需要の増大、水使用量とその排水量の増加に伴って起こるボーダーレスにしてエンドレスの問題である。水質の状況がよくとらえられているヨーロッパ湖沼については、概略の傾向を示した。この厄介な問題に対して、各湖沼でこれまでに行われてきた対策については、北アメリカ、南アメリカおよびヨーロッパの個々の湖についてまとめて示した。最後に、琵琶湖をかかえる滋賀県については、アイデアあふれる様々な住民運動によって、富栄養化の防止に地道な効果を上げてきた取り組みをあわせて紹介した。
2002-12-01