起点としてのヒトを示す「から」と"从" : 他動性の観点から(文学・文化編)
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概要
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本稿では,起点としてのヒトと共起する動詞を,他動性によって4つのタイプ(タイプA〜タイプD)に分け,日本語の「から」構文と中国語の"从"構文との異同を対照した。さらに,タイプDの動詞の文と連続するものとして,受動文と,一部の自動詞文についても「から」構文と"从"構文とを比較した。日本語では,他動性が最も高いタイプAの表現から自動詞文まで,「から」構文は連続的に分布しているのに対し,中国語では,"从"構文はタイプAの表現から自動詞文へと,他動性が下がるに従って,自然さが落ちてくる。受け手からの働きかけが希薄な場合,移動物の個体性が高くなったり,受け手の動作主性や意図性が強くなると,"从"構文の成立が認められることがあるが,いずれもそれらの事情によって他動性が高くなるからである。
- 甲南女子大学の論文
- 2005-03-18