自活性土壌線虫の分離と培養および遺伝学の試み
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概要
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中部大学キャンパス内の土壌からベールマン法を用いて自活性上壌線虫を分離し,大腸菌を餌にして培養をおこなった.ライン化して野生型YS-22211を確立した(以下YSと略す).雌雄同体と雄の2つの性があり,ふだんは雌雄同体のみで増殖するが,まれに雄があらわれた.雄と交配すると雌雄同体から産まれる次世代は,およそ1:1の性比で雌雄同体と雄が出現した,産卵数,成長,および寿命の計測をおこなったところ,同じ自活性土壌線虫で生物学のモデルであるCaenorhabditis elegansと比べて体のサイズは小さく,発生速度も遅かった.産卵数も少なくばらつきが大きかったものの,平均寿命は長かった.つぎに,突然変異誘発剤による変異体の分離を試みたところ,体のサイズが大短い(dumpy)変異体を2種類分離した.ひとつは,サイズが太短いものの消化器系および生殖系は野生型とかわらず,小さな線虫体内に各器官が圧縮された状態であった.もうひとつのものは,消化器系および生殖系など全てが短くなっていた.両者は異なる遺伝子の変異によって生じた表現型であると示唆された.
- 中部大学の論文
- 2005-03-31
著者
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長谷川 浩一
京大院農・微生物
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三輪 錠司
中部大院・応用生物
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江村 忠秀
中部大学応用生物学部
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大野 美紀
中部大学応用生物学部
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樫尾 啓介
中部大学応用生物学部
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三輪 さつき
中部大学生物機能開発研究所
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長谷川 浩一
中部大学生物機能開発研究所
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三輪 錠司
中部大学応用生物学部
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