産炭都市夕張の社会学的研究 : 布施鉄治編『地域産業変動と階級・階層』の知識社会学的検討を中心として
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概要
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本稿は,SORDプロジェクトによる北海道社会調査の知識社会学的研究の一部として,石炭産業を対象とした社会学的研究の検討を行うものである.ここでは,特に大きな成果を残した布施鉄治グループによる夕張調査に焦点をあて,その集大成である『地域産業変動と階級・階層』を中心に検討した.その結果,エネルギー政策の転換とそれに伴う炭鉱の閉山・合理化が,炭鉱労働者をはしめ地域性民話階層に深刻な影響をもたらしたことが確認された.しかし,この研究では夕張という地域の特性への配慮が十分ではなかったため,地域社会に培われた社会機構のあり方や北海道社会の特質に関する分析は不十分なものにとどまっていた.今後は,他の北海道社会調査研究との比較を通じて北海道社会の特質を明らかにするとともに,SORDプロジェクトが保管する夕張データセットの2次分析に取り組み,布施グループの成果を再検討することが重要となる.
- 札幌学院大学の論文
- 2005-03-31
著者
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