接頭辞「素-」は、接辞でありながら語基との類似性がみられる。本稿では、その類似性の生じる理由を、語が形成されるプロセスに基づいて考察する。「素-」は語構成要素レベルでは「Xがない」という抽象的な意味しかもたないが、「単語化」という形態論的プロセスを経て初めて個別的・具体的な意味をもち、その結果「素-」が語レベルにおいて語基との類似性をもつことを論ずる。
東北大学大学院