鎌倉時代の口頭語資料としての日蓮遺文 (女房消息) の検討
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概要
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従来、鎌倉時代の口頭語資料として認め得るのではないかとされながら、十分に検討が加えられてこなかった資料に「日蓮遺文」がある。本稿では、その中でも、特に口頭語性が期待できるものとされる女性宛の手紙 (女房消息) について、口頭語的語詞・事象を摘出する作業を行なった。その結果、口頭語資料認定の際の指標となる語 (助動詞「ムズ」等) をはじめとして、擬声語・擬態語など多くの口頭語的語詞等を拾うことができた。このことから、少なくとも「日蓮遺文」のうち、女房消息については、概ね口頭語を基調としているものと認めることができるように思われる。
- 東北大学の論文
- 1995-09-30