ガーデンパス文の理解成績と作動記憶容量との関係(I)
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概要
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ガーデンパス文・非ガーデンパス文の理解において,作動記憶がどのような役割を果たしているのかを検討した。実験1ではガーデンパス文の成立判断において,各文節の呈示時間が短い条件において,作動記憶容量が小さい被験者の方が大きい被験者よりも判断に時間がかかることが示された。実験2では,ガーデンパス文の脱曖昧化の処理を必要とする命題の理解において,作動記憶容量が小さい被験者の方が大きい被験者よりも理解が困難であることが分かった。特に,各文節の呈示時間が短い条件においては作動記憶容量が小さい被験者は成績が悪かった。しかし,非ガーデンパス文の成立判断や命題の理解においては,作動記憶容量の大きさによる差は見られなかった。これらの結果により,非ガーデンパス文の理解といった単純な処理では作動記憶は用いられていないが,ガーデンパス文の脱曖昧化といった負荷のかかる処理においては,作動記憶が用いられていること,作動記憶容量が大きい被験者の方が小さい被験者よりもより短い時間で文を脱曖昧化できることが示唆された。
- 川村学園女子大学の論文
- 2005-03-15
著者
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