計算処理がネガティブ・プライミングに及ぼす効果と実行系機能の果たす役割
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概要
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数式または数字を刺激として用いたネガティブ・プライミング実験において, プライム・プローブの性質によってネガティブ・プライミングの効果が異なるかどうかを検討した。更に, 抑制能力, 課題切り替え能力といった実行系機能とネガティブ・プライミングとの関係も合わせて検討した。各被験者は, プライミング課題, 抑制能力を測定するストップシグナルタスク, 課題切り替え能力を渕定するナンバーレタータスクを行った。その結果, 数字をプローブとして用いた場合は, プライムが数式であってもネガティブ・プライミングが見られた。一方, 数式をプローブとして用いた場合は, プライムが数字であってもネガティブ・プライミングが見られなかった。これらの結果から, 無視している数式に対しても何らかの計算を行っているために, ネガティブ・プライミングが生じること, プローブに対する計算処理を行うことでネガティブ・プライミングが消失することが示唆された。しかし プライミング量と抑制能力, 課題切り替え能力との関係については, 明確な知見は得られなかった。
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