食料システムと封建制度の影響 : 日本と韓国の比較(比較経済史 : 日本・韓国)
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概要
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韓国(朝鮮)の食料システム(農業、食品工業、食品流通業)は日本のそれと大きく異なっている。その原因を探るべく、食料システムの形成過程を日本と比較して考察した。古代、朝鮮も日本も中国の影響を受けた律令国家であったが、日本は鎌倉時代より武士が台頭し江戸時代には「封建制度」が確立した。そしてその中で、武士、農民、商人、職人たちが地域毎に「経済共同体」を結成し、秩序を重んじ協調性を養い、技術に磨きをかけ、市場経済を発展させていった。したがって政治的には分割されていたが、経済的社会的には結合されていたし、国家は不完全でも地方分権は完全であった。それは日本が四方を海に囲まれ孤立し、中国からの影響が少なかったという地形が有利に慟いた結果でもある。一方、朝鮮は中国とは陸続きにあり、中国と同様、「支配階級と奴隷」という一枚岩の中央集権国家であった。そこには中間層としての庶民の存在が希薄で、政治も経済も文化も中央と地方との格差は格段に大きかった。したがって地域に「経済共同体」は育たず、植民地時代と1970年代の2回、日本式「経済共同体」の移植が試みられたが成果が十分にあったとは思われない。経済共同体の存在の有無が日本と韓国の食料システムの違いに影響していることが判明した。
- 千葉経済大学の論文
- 2004-07-15
著者
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