いびき,睡眠時無呼吸低呼吸症候群に対するdynamic MRIによる閉塞部位診断とその適切な治療法の選択
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概要
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閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Hypopnea syndrome : OSAHS)では,重症度判定のためのPolysomnography (PSG)や閉塞部位診断が治療方針決定のために重要となる。閉塞部位診断には種々の方法があるが,今回dynamic MRIを用いて睡眠時の上気道の形態変化を評価することを試み,閉塞部位パターン別に分類し重症度および各治療効果につき検討をした。閉塞部位は矢状断,軸位断で確認後,2方向の断面の所見を組み合わせ「前後型」「左右型」「全周型」「喉頭蓋型」の4型に分類した。各分類型別に重症度判定のPSG検査から得られた無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index : AHI回/hr)および最低経皮的動脈血酸素飽和度(lowest SpO_2 : %), BMIにて検定したところ,「左右型」「全局型」で有意にAHI高値,lowest SpO_2低値の重症所見が認められ,BMI高値の肥満症例が多いことが明らかとなった。また各治療法において閉塞部位分類別の治療効果につき検討した。軟口蓋高周波治療では「前後型」の群で治療効果を認めた。口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(uvulopalatopharyngoplasty : 以下UPPP)は全体では67.9%の改善率であり,「左右型」「全周型」においてAHI値の手術前後比較で有意な改善を認めた。経鼻的持続陽圧呼吸(nasal-Continuous Positive Airway Pressure : n-CPAP)単独治療では閉塞部位分類別に治療効果で有意差は認められなかったが,CPAP離脱(症状改善にて終了となった症例)は手術療法併用のうち,UPPP併用症例が全体で離脱71.4%と多く,中でも「左右型」では85.7%の離脱が可能であった。以上より,dynamic MRIにて閉塞部位をパターン化することで,0SAHS患者を分類することが容易になり,これに重症度を加味することで,より効果的な治療方法の選択が可能となり,またその治療効果の予測が可能と思われた。
- 金沢医科大学の論文
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