乳癌におけるリンパ路及びセンチネルリンパ節転移の臨床的意義

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【目的】乳癌患者を対象に乳房におけるリンパ路を検索するとともに,センテネルリンパ節(以下SN)を同定し,同定されたSNの転移の診断方法および転移の有無が領域リンパ節の転移状況をどのように反映するか検討した。【対象と方法】領域リンパ節郭清を伴いSNを同定,生検した乳癌患者82例を対象とした。原発巣からSNに到るリンパ路およびSNの同定には色素法, lymphoscintigraphy,ガンマプローブ法を用い検索した。同定したSNの転移診断は,多数切片の作製とHE染色に加えcytokeratin免疫組織染色により行った。【結果】リンパ路は腋窩と胸骨傍の2方向性を示した1例を除き,他の全てが腋窩への方向性を示し,その描出率は色素法(30.5%)に比しlymphoscintigraphy (63.2%)が高率を示した。SNの同定率は色素法68.3%, lymphoscintigraphy 97.5%,ガンマプローブ法100%であった。SNの転移率は多数切片でcytokeratin免疫組織染色を行うことにより40.2%を示した。SN転移と領域リンパ節転移の関係は,SN転移陽性では領域リンパ節転移陽性が54.6%, SN転移陰性では領域リンパ節転移陰性が93.9%であった。【結語】乳癌のリンパ路は腋窩に向かうものが殆どであり,SNと領域リンパ節転移の関係からSNに転移があった場合には領域リンパ節郭清が必要であり,SNに転移がなかった場合には領域リンパ節郭清の縮小もしくは省略の可能性が示唆された。

乳癌におけるリンパ路及びセンチネルリンパ節転移の臨床的意義

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