アメリカ社会改良期における「ニューヨーク・システム」の発展 : 民間福祉施設への公的補助金はいかに増大したのか
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概要
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本論文では、近年のアメリカ社会福祉政策における民営化の中心的な論点となっているサービス購入契約の起源を求めて、19世紀後半の社会改良期におけるニューヨークの民間福祉施設への公的補助金システムである「ニューヨーク・システム」を考察する。まず、ニューヨーク州及び市における補助金の増大の様子を統計的に明らかにする。次いで、その増大の要因を、移民の急増と産業化及び経済不況という直接的要因、補助金システムに付随する内在的要因、カソリックとプロテスタントの宗教対立という間接的要因の3つに分類し、分析する。さらに、増大する補助金に対し、補助金を要しない取組みや補助金提供の廃止や規制によって対応されたことを示す。最後に、この時期の公私関係の評価をし、本研究の今日的意味として、一つに公的福祉施策の位置付けを問い直すこと、もう一つにこの時期にサービス購入契約のシステムの基礎ができたことを指摘する。
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