職業人向け大学院における従業員の学修に対する企業の対応
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概要
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職業人向け大学院の発展に向けて,企業などの雇用主が従業員の学修を評価しだり,彼(女)らの学修に対して時間的配慮を行うことの必要性が指摘されてきたが,実際にはそのような取り組みはほとんど行われていない。そこで,大手企業6社の人事担当管理職にインタビュー調査を実施することで,その背景にある企業側の考え方を探った。その結果,企業による派遣終了後の配置に関しては今後学習内容に配慮したいとの傾向が見られたが,昇給・昇進といった面での処遇の欠如は,処遇は実際の成果に基づくべきものという考え方,成果と学修内容の関連性の不明確さなどの要因に基づいていた。時間上の配慮がなされないことに関しては,自己啓発重視とはいいながらも,社内研修プログラム外での自己啓発に関しては自分で時間を作るべきとの考えが示された。しかしながら,職業人向け大学院教育の価値が理解できれば,社内の自己啓発プログラムの枠内で大学院をより積極的に活用したいとの意向も見られた。
- 2005-09-30