精神障害者における就労の意義と就労支援の課題
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概要
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この論文の目的は、精神障害者の雇用の問題について検討を加えることにある。精神障害者は一般に収入が少なく、そのために生活上の困難を抱えている。精神障害者は生活していくために働かなければならないが、雇用の機会は閉ざされている。しかも、一般に精神障害者は、長期にわたって継続的に働くことが難しい。そのために、適度に休息を入れながら働くような形が望ましい。それは、名古屋市が行った調査でも明らかである。それによると、就労の希望が高いが、時間調整ができるような働き方を望んでいることがわかる。ワークシェアリングができる働き方が望ましいといえる。しかし、そのためには、手当てや年金が今より充実されて社会保障制度が整えられていくことが条件となる。また、一般に人々は精神障害者に対して偏見を持っている。それは、雇用の現場でも差別となって現れる。そのために、精神障害者の雇用を進めていくためには、就労をバックアップする体制が整えていられなくてはならない。精神障害者にとって就労の意味は、就労を通じて社会的関係を広げ、「生きがい」を持てることにある。
- 2005-03-31
著者
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