『純な心』 : 表象としての動物
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フローベール作品では、中心的とはいえないまでも、動物がある種の示唆を与えている場合が多い。例えば、『ボヴァリー夫人』では、エンマと犬の森の中の散歩の場面で、彼女の日常の生への欝屈や虚無感が、犬のぐるぐると果てしなくまわる円形の動作によって見事に表現されている。また、フローベールの妄執的な作品ともいえる『聖アントワーヌの誘惑』には、アントワーヌを堕落へと引き込もうとする様々な幻想の動物が見られる。ただ、これらの作品では、動物は主人公の心情に深く関わってはいるが、あくまで付随的な要素でしかない。しかし、完成に至ったフローベールの最後の作品である『三つの物語』の中の『純な心』では、動物の存在が強烈に提示され、女中フェリシテの人物形成の本質に密接に関わってきている。つまり、『純な心』は、動物の関与なくしては物語として成立しえないのである。本稿では、フローベールにとっての動物の存在意義を探りつつ、草稿をとおして、『純な心』の主人公との関係においての動物の表象性を分析していく。
- 2005-01-31
論文 | ランダム
- 尿路感染症におけるBacteria L-formの意義 : 特に腎盂腎炎発生機序に関する問題について : 第2報Bacteria L-formに実験的腎盂腎炎に関する研究
- 尿路感染症におけるBacteria L-formの意義 : 特に腎盂腎炎発生機序に関する問題について : 第1報Bacteria L-formに関する検討および臨床的検討
- Emergency Case 待合室で急変した患児2症例のかかわりを通して--救急初療の看護師の役割とは
- Electrical Properties of n-Type Gallium Arsenide at High Temperatures
- 中緯度における棚田段畑および斜面畑の日射に関する基礎的考察