金融資産の流動化とSPC : その会計問題と法的側面
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,企業の新しい資金調達手段として金融資産の流動化が定着してきた。金融資産を流動化する場合の第一義的目的は資産の圧縮・スリム化にあり,その際の最大の関心事は,オリジネーターサイドの当該譲渡金融資産のいわゆるオフバランス化の可否及び当該譲渡資産の譲受人であるSPCが連結の対象とならないことにあるといわれる。我が国においては,2000年4月から金融商品の取引に関し,新会計基準が適用され,これに伴って金融資産の流動化にも新ルールが導入されている。金融資産を流動化する際の当該譲渡資産の譲受人は,通常,オリジネーターの関係者が設立したSPCであるが,現行金融商品会計基準においては,これが連結除外となっている。本稿は,金融資産の流動化に関する問題を,主として,譲渡人による当該譲渡資産の「消滅の認識」(オフバランス化)の可否,及び譲受人であるSPCの連結の要否という二つの側面から観察し,SFAS125 の"Derecognize"なる「アメリカ基準」を直輸入して成り立つ財務構成要素アプローチによる「消滅の認識」を会計的視点及び法的視点から検討・考察するものである。
- 北海道大学の論文
- 2001-06-12