長〓壁に就いて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
數寄屋又は數寄屋造の壁面仕上に、自然の土砂が有つ色澤其まゝを採つて、明暗さまざまの壁を構成することは、世界の建築に類例のないことであるにも係らず、殆んど顧みられずに過ぎて來た。今假りに之れを"日本壁"と呼んで其調査研究を志した。"長〓壁"は其1部で、先づ歴史的遺構を探つて、大阪市南區餌差町木原邸内牛部屋茶室及唯松庵腰掛、また京都市右京區御室仁和寺境内遼廓亭及飛擣亭の4に就いて、構造形式、創立沿革を略述し、其壁に就き諸朮し、次にこれら實例の使用せる壁土と仕上技法とを細叙し、其模製に就いて土砂の調合を記述して後、長〓壁を定義づけ、最後に其創案のモチイヴを稽へ、京都府乙訓郡大山崎村喜庵數寄屋の壁を引いて愚考を述べ、當時の民家に於ける泥壁に示唆を受けたものとして、妙喜庵の壁を長〓壁の前驅とした。
著者
関連論文
- 長〓壁に就いて
- 桂離宮の建築に就て
- 4) 當麻寺草創と金堂との研究
- 「中右記」を基線としての法界寺研究
- 39) 堅固なる日本壁に就て
- 長〓壁に就いて
- 9) 豊榮寺藥師堂に就て
- 豊樂寺藥師堂に就て
- 39) 九躰阿彌陀堂に就て