熔接部の振動強度に關する研究
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概要
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本報告は繰返應力を受けた場合の溶接部の振動強度信頼度増大を目的として行はれたる研究結果の報告である。實驗方法は在来のNS曲線を求めるものと異なり正負曲げモーメントを約0.42秒の週期で與へ、材縁の應力を100kg/cm^2増す毎に1萬囘繰返し破壊迄此の操作を續け、振動中の應力と歪を新方法で測定し、振動時の應力歪曲線を畫き、之より振動比例限度を定める新方法を考案した。更に振動最大強度を求めるためには、疲勞の結果實際斷面係數が變化してゐるから、實驗より求めた應力歪曲線に基いて材縁應力を補正する算式を誘き之れによつた。その結果σ=M/S式に依る場合の80%なることを確かめた。此の方法による熔着鋼と軟鋼の振動強度及靜力強度に就き比例限度及び最大強度を比較した。その結果振動強度は靜力強度の約65%、又熔着鋼は軟鋼の約80%であることを確めた。次にX型溶接部附近の振動強度を調べたるにX型中心部が最も弱く、軟鋼と熔着鋼の境界附近に最大の點あるを認めた。次に盛金を有したままの仕上げざるものに就き繰返曲げ試驗を行つた。此の場合は何れも應力集中最大である盛金部の端、軟鋼部にて破壊した。之は繰返應力を受ける場合は應力集中の部分に破壊を起し易きことを示すもので、かゝる場合の熔接方法は熔接棒の強度を高めることも必要だが寧ろ接手の型に就て應力集中の起らないものを選ぶのが得策である。同じくX型熔接に就き上向、堅向、下向作業にて製作したるものの振動強度及破面の状態を統計的に調べたるに三者の間には區別少なく、見掛上の施工困難が他の條件に依り補充されることを知った。
- 社団法人日本建築学会の論文
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