沖縄および石垣島のムカシエビ類
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概要
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今回の調査で, 沖繩本島と石垣島からはじめてムカシエビ類が見つかった。沖繩本島産のオナガムカシエビ属の1種は, 奄美大島のアマミオナガムカシエビParabathynella gracillima insularisと同一であり, 石垣島のカワリムカシエビ属Allobathynellaの1種は, 幼体であったので種の決定ができなかった。沖繩本島産のムカシエビ属の1種には, オキナワムカシエビBathynella okinawanaという新名を与えてこの論文に記載した。今回の分をあわせて, 琉球全体のムカシエビ類を総括すると, ほぼ次のようになる。オオシマムカシエビBathynella oshimensisとアマミカワリムカシエビAllobathynell giganteaとは, どちらも奄美大島と徳之島とに分布し, アマミオナガムカシエビは, 前述のとおり奄美大島と沖繩本島から同じ種がとれている。また, オキナワムカシエビは, 四国南西部のヤノムカシエビBathynella yanoiに近い種であって, いずれの場合にも中部琉球と日木のものとの関連性がみられる。しかし, 石垣島産のカワリムカシエビ属の1種は, 中部琉球や日本のものと似ていないので, 中部琉球と石垣島とのあいだで, ムカシエビ類の分布に断絶があるのではないかと思われる。
- 国立科学博物館の論文
著者
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