<原著> 議員提案法制の立法過程についての考察 : 臓器移植法を例として
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概要
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"我が国においては,法案を提出できるのは内閣及び国会議員である.このうち,ほとんどの法案は内閣提案であるが,一方で重要な法案が議員提案という形で提出されている例もある.その例の一つが「臓器の移植に関する法律」(平成9年法律第104号)であり,衆議院より議員提案として提出されたものである. この法案は,国会提出後,2度の修正が行われたのち成立した.国会における修正の過程において,この法案は複雑化し,いくつかの問題もかかえている. しかし,多方面からの議論も多く,政治的にはあまり重要性がないと判断されたこうした法案については,内閣は当初から自ら提出する意思は持っていなかった.その中で,この法案が議員提案によって提出され,成立したことは,内容に多少の批判はあったとしても議員提出法案の大きな成果であり,国会の立法活動という面からも大きな意義があると考えられる."