急性および慢性皮膚疾患における真皮マスト細胞の数について
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概要
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アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚の炎症像の形成にT細胞は重要な役割を果たしている.一方,マスト細胞も含有するプロテアーゼであるトリプターゼを介して炎症に関与している.アトピー性皮膚炎や乾癬では皮膚のマスト細胞は増加していることが明らかとなっているが,他の炎症性皮膚疾患では明らかでない.本研究では,炎症性皮膚疾患を急性と慢性に分けて検討した.又,皮膚炎とよく間違われて治療されることの多い乳房外ぺ一ジェット病や,類縁疾患であるボーエン病でも検討した.マスト細胞数は急性湿疹,固定薬疹では正常皮膚と有意差なく,薬疹では却って統計学的有意に減少(71.4%)していた.慢性湿疹,貨幣状湿疹では正常皮膚の2倍に増加し,アミロイド苔癬,DLEでは約1.5倍に増加していた.一方,carcinoma in situである乳房外ぺ一ジェット病やボーエン病では約2倍の数を示した.薬疹の皮疹部皮膚ではマスト細胞がapoptosisにおちいっていることがTUNEL染色で明らかになった.また,乳房外ぺージェット病ではマスト細胞が表皮層内に侵入している像が7例中5例で認められた.
- 近畿大学の論文
- 2003-11-25
著者
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