国立大学法人の中期目標・中期計画にみるキャリア教育と就職・学生支援
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概要
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平成15(2003)年度の学校基本調査によれば,大卒のうち無業者1)の比率は23.55%に達している。いわゆるフリーター2)は1990年に183万人であったが,現在は400万人以上と言われている。フリーターでも失業者でもなく,「ニート」( NEET: Not in Education, Employment,or Training)と呼ばれる若者は、2000年に17万人,2003年には40万人,そして2005年3月の内閣府の発表では, 85万人である。国立大学においても,中退者や卒業後の無業者が増え,フリーターになる学生も多くなってきている。その実態は,学生支援を強化している私立大学に比して深刻である。就職という一時点だけでなく,生涯を見通したキャリア教育が求められている。とはいえ,法人化に伴って,様々な改革がなされはじめている。その一つが学生の教育支援や進路支援の取り組みである。国立大学法人の中期目標・中期計画では,就職課の設置にとどまらず,正規のカリキュラムとしてキャリア教育の充実を謳う大学も見られる。本稿では,国立大学法人の中期目標・中期計画の中から,「キャリア教育」がどの程度重視されているかを踏まえながら,今,なぜ「キャリア教育」なのか,静岡大学の実践についても言及しつつ,今後国立大学法人にも求められるキャリア教育の展開を論じている。
- 同志社大学の論文
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