水のポリアモルフィズムの水溶液系への応用 : OH伸縮振動モードからの考察
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概要
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最近の過冷却水やアモルファス氷の研究から水(H2O) には密度も局所構造も異なる2つの液体状態が低温領域に存在することがわかってきた.この水の2つの液体状態に関する新しい考え方は「水のポリアモルフィズム」と呼ばれている.本論文では,水のポリアモルフィズムの立場から水溶液の溶媒状態を考える.我々は,様々な方法で低濃度水溶液のガラス状態を作り,そして,ラマン分光法を用いてその水溶液ガラスの OH 伸縮震動モードを測定した.これらの水溶液ガラスのラマンスペクトルと低密度アモルファス氷,高密度アモルファス氷,過冷却水のラマンスペクトルの比較から,水溶液の溶媒状態は少なくとも3つの状態が存在する可能性が示唆された.現時点ではこの結果は水のポリアモルフィズムの考え方と矛盾しない.
- 2006-03-22
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