ポリープ状発育を示す肺門部小細胞癌と末梢型扁平上皮癌を併発した特発性間質性肺炎の 1 症例
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概要
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特発性間質性肺炎にポリープ型の肺門部小細胞癌と末梢型扁平上皮癌の重複癌を併発した症例を経験した。それぞれの腫瘍に対し経気管支鏡的ポリペクトミー, 肺楔状切除術を施行した。術後, 癌化学療法は施行せず特発性間質性肺炎の治療としてステロイドを開始し徐々に病状の安定化が得られた。腫瘍に施行した切除術はいずれも絶対非治癒切除であったが半年後に気管支鏡を施行したところ小細胞癌の局所再発は認められず組織学的にも悪性所見はみられなかった。X線学的にも扁平上皮癌の再発所見はみられなかった。これまでにも特発性間質性肺炎が発癌母地であることを示す報告は多いが本症例の治療経過よりステロイドによる特発性間質性肺炎の安定化と合併肺癌の進行抑制とが関連していた可能性が推察された。すなわち, ステロイド治療によって特発性間質性肺炎の有する何らかの発癌促進因子が抑制されたものと考えられた。
- 日本呼吸器内視鏡学会の論文
- 1989-04-15
著者
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中村 清一
東京都立広尾病院呼吸器科
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兼村 俊範
都立広尾病院呼吸器科
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田中 道雄
都立広尾病院病理
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馬場 美智子
都立広尾病院呼吸器科
-
田中 道雄
東京都立広尾病院 病理
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船津 秀夫
都立広尾病院外科
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木原 令夫
都立広尾病院呼吸器科
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中村 清一
都立広尾病院呼吸器科
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三上 正志
都立広尾病院呼吸器科
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小関 隆
都立広尾病院呼吸器科
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藤川 晃成
都立広尾病院呼吸器科
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和田 哲明
都立広尾病院外科
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長岡 滋
都立広尾病院呼吸器科
-
藤川 晃成
都立広尾病院内科
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長岡 滋
日本喀痰研究所
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田中 道雄
都立広尾病院検査科
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馬場 美智子
都立広尾病院 呼吸器科
-
長岡 滋
都立広尾病院内科
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