南西諸島におけるメヒルギおよびオヒルギ集団間の遺伝的分化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
南西諸島におけるメヒルギ,オヒルギ集団間の遺伝的分化を調査した。南西諸島はこの2種の分布域の周縁部に位置し,集団は比較的小さい。メヒルギでは3遺伝子座,オヒルギでは6遺伝子座のマイクロサテライトマーカーを用いた遺伝分析から2種ともに高い遺伝的変異が示された。メヒルギの対立遺伝子の有効数は2.152,ヘテロ接合度は0.409であった。一方,オヒルギの対立遺伝子の有効数は1.593,ヘテロ接合度は0.318であった。集団間の遺伝子分化係数は高く,メヒルギで0.316,オヒルギで0.380であった。メヒルギの遺伝的多様性は,沖縄本島,奄美大島が西表島よりも大きかった。また,オヒルギの遺伝的多様性は,西表島が沖縄本島,奄美大島よりも大きかった。2種の遺伝的多様性の水準は,集団の規模と地域性に関連すると考えられる。
- 東京農業大学の論文
- 2002-12-20
著者
-
吉丸 博志
(独)森林総合研究所 森林遺伝研究領域
-
菅谷 貴志
東京農業大学農学研究科林学
-
吉丸 博志
森林総研
-
武内 俊一
東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科
-
吉丸 博志
独立行政法人森林総合研究所森林遺伝研究領域
-
勝田 柾
東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科
関連論文
- 絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの保全と利用
- 小笠原諸島における絶滅危惧種オガサワラグワMorus boninensis Koidz.の保全遺伝学と保全計画の立案 (特集 希少樹種の現状と保全)
- Duchenne 型筋ジストロフィー症に関する細胞遺伝学的研究
- 森林生態系における遺伝的多様性の保全 (特集 守り伝えたい日本にある世界自然遺産) -- (屋久島)
- 屋久島と種子島におけるヤクタネゴヨウの保全の現状について (平成18年度第36回林木育種研究発表会講演集)
- 論壇 広葉樹の植林における遺伝子攪乱--地域性消失の危惧
- 南西諸島におけるメヒルギおよびオヒルギ集団間の遺伝的分化
- スギゲノム研究の進展と今後
- オガサワラグワ(小笠原の森林の生物多様性保全)
- オガサワラグワ
- バイカル湖とシベリアタイガ,その起源と変遷に関する研究(その2)
- 南西諸島におけるメヒルギおよびオヒルギの遺伝的変異(Journal of Forest Research)
- 種子島における絶滅危惧種ヤクタネゴヨウの分布
- 講座 林木の集団遺伝(2)交配様式と頻度
- RFLP及びCAPSマーカーを用いたスギにおけるESTマップの作成
- 分子マーカーを用いた会津地方のキリの分類
- 林木のQTL解析と育種への応用 (特集・ここまで来た林木育種技術の最先端)
- Shorea curtisiiのマイクロサテライトマーカーの開発と応用
- 森林生態学における遺伝的変異の分析と利用(第107回日本林学会大会テ-マ別セッション)
- 森林生態学における遺伝的変異の分析と利用(テーマ別セッション)(第107回日本林学会大会)
- マイクロサテライトマーカーを使ったカシ類の繁殖構造
- コナラ属3種のアロザイム変異でみた種間, 集団間の遺伝的分化
- 筋萎縮性疾患の遺伝分析 : Duchenne 型ジストロフィー症について
- 空腹時血糖値頻度曲線の非対称性について
- 従性遺伝の分析法に関する理論的研究
- 資料 オヒルギ現地外遺伝子保存集団の開花調査ならびに人工受粉試験
- 反復のない系統別列状植栽のデータから遺伝率を求める方法
- キイロショウジョウバエにおける発育速度と生存力を支配するポリジ-ンの相互関係〔英文〕
- 量的形質遺伝子の発掘--地図を片手に (生物機能の新たな利用に向けて)
- 伴性優性遺伝の再発危険率推定に関する考察
- 遺伝的危険率の推定に関する理論的考察 : II. 伴性劣性遺伝
- 遺伝的危険率の推定に関する理論的考察 : I 常染色体優性および劣性遺伝
- 子供数の変異と遺伝力に関する統計遺伝学的研究
- 死亡率から見た近親婚の影響の世代間推移について
- 樹木の遺伝的変異の研究と森林・林業(遺伝子から読み解く森林)
- 研究室訪問シリーズ(19)森林総合研究所多摩森林科学園