Colletotrichum acutatumによるカプリチェリー炭疽病の感染源に関する研究
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概要
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東京都世田谷区の東京農業大学世田谷キャンパス内の高層建築物とコンクリート塀に囲まれた中庭に,1978年種子によりエクアドルから導入されたカプリチェリー(Prunus capuli)が植栽されている。1997年このカプリチェリーにColletotrichum acutatumによる炭疽病の発生が確認された。同病の感染源に関して知見を得るため,その中庭に生育する種々の植物葉から分離される炭疽病菌について調査・検討を行った。これまで未記録の宿主植物を含む各種植物の展開葉からは,褐色斑点や褐変部の有無に関わらずC. acutatumが高頻度に分離され,分離菌株はその分離源植物の違いに関わらずほぼ共通の宿主範囲を有した。調査地内の各種植物間では共通の宿主を経由してC. acutatumが互いに感染・蔓延していることが強く示唆されるとともに,かなり以前からC. acutatumが国内に蔓延している可能性が考えられた。カプリチェリー炭疽病は病原菌の侵入経路が不明とされていたが,以上の結果からカプリチェリー導入前後に同菌に感染した植物がこの中庭に持ち込まれて周囲の植物に同菌が発生または潜在感染し,さらにそれらの感染植物体上のC. acutatumが同病の最初の感染源となった可能性が示された。
- 東京農業大学の論文
- 2002-09-20
著者
-
陶山 一雄
東京農大農
-
根岸 寛光
東京農大農
-
根岸 寛光
東京農業大学農学部農学科
-
陶山 一雄
東京農業大学農学部農学科
-
根岸 寛光
東京農大
-
根岸 寛光
東京農業大学農学部
-
黒田 美佳
東京農業大学農学部農学科
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