水中硫化物の気化-吸収を利用したヨウ素滴定
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概要
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共存物質の影響が少ない定量を目的として,水中の硫化物を気化-吸収した後,ヨウ素滴定する方法を検討した.すなわち密閉容器中で試料(50cm^3)を酸性にし,気相に移行した硫化水素を内管に入っている亜鉛イオンで固定し,ヨウ素滴定により分析する.硫化物濃度3.6mg/dm^3,8.1mg/dm^3,15.7mg/dm^3,36.8mg/dm^3脱イオン水溶液を各々8回定量したところ,変動係数及び平均値の回収率は(0.34〜0.99)%及び(98.6〜100.8)%と良好な結果を与えた.亜硫酸,チオ硫酸,亜硝酸の各イオンの本法への影響は直接滴定より減少した.亜硫酸イオンの妨害はホルマリン添加で除ける.他の二つのイオンの影響は無視できる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1983-12-05