事態認知から見た副詞の叙述性について
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概要
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統語位置による副詞の意味解釈の変化については,clausal/manner ambiguity現象や主要部である動詞や形容詞との選択制限,重層的な意味機能など様々な問題点があり,従来の語彙意味論および情報構造からの説明だけでは捉えきれない。本稿では,まず,1つの事態認知における認知者の認知モードの変化という観点から,異なる意味機能を持つ副詞の叙述性をより包括的に説明できることを指摘した。また,こうした認知者の「視点の多層化による事態の捉え直し」という認知的動機づけによって,副詞と主要部の間に非制限的な叙述関係が派生し,認知的な選択制限のもとに緊密な関係を保ちつつ,より創造的な語彙の比喩化が起こっていることを検証した。
- 福岡国際大学・福岡女子短期大学の論文
- 2004-07-30