鏡治療による上肢筋活動の即時的変化 : シングルケースデザインによる検討

概要

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脳卒中患者の上肢運動麻痺に対して, 鏡治療を実施し, その即時的効果をシングルケースデザインで評価した。研究デザインには, 鏡治療とコントロール治療をランダムに実施する操作交代デザイン(各治療5回ずつ)を使用した。対象は慢性期脳卒中患者3症例(発症後約10ヶ月〜12ヶ月), 全症例とも左片麻痺であった。筋電図積分値(integrated electromyography: 以下IEMG), 筋電図反応時間(electromyographic reaction time: 以下EMG-RT), 握力および示指タッピングテスト(Index-finger Tapping Test: 以下ITT)の4つの評価項目を, 各治療前後に測定した。IEMGとEMG-RTに関して, 3症例全てにおいて鏡治療の有意な変化が認められたが, 握力とITTでは変化は認められなかった。今回の研究において, 鏡治療が, 脳卒中後の左片麻痺患者に対して, 麻痺側上肢の神経筋機能を即時的に変化させることが示唆された。
2005-10-20